Kajirinhappyのブログ

おうちごはん、家飲み、山旅、温泉、リモートワーク中の日常などを綴っています。

90歳の父が車を売却するまで 

ちょっと重いテーマでブログに書くかどうか悩みましたが、私と同じように悩んでいる方に少しでも参考になればと思い書きました。長文です。

長い長い親子間の交渉を経て(闘いとも言う)、89歳になる父が90歳の誕生日前にやっと車を売却した記録です。

 

75歳以上の運転免許更新には、認知機能と視力検査に加えて、学科試験と実技試験を必ずやるように義務づけてもらいたいと強く思います。

耳が遠く、足腰も弱く、筋力や瞬発力も衰えているが、認知機能と視力検査さえパスすれば、なんなら90歳以上でも免許更新ができてしまう現在の制度を、何とか改善してもらいたいと思います。

 

89歳の父と85歳の母は二人で誰の手の助けも借りずに二人で、地方の小さな市にある戸建ての自宅で生活しています。

昭和一桁生まれの父は、運転が大好きで、無事故無違反を大層誇りに思い、運転に絶対の自信を持っています。運転は母に出来なくて父にできる唯一のことであり、運転できない母の足となって、つい先日まで運転をしていました。

子供である姉と私は実家から離れて暮らしており、父母の日々の足にはなれないものの、実家はスーパーや銀行などに歩いていけない不便な場所でもないため、足に筋力をつけて二人で歩くことを推奨、乗り合いタクシー利用を勧め、タクシーチケットを渡すなどの対策もしてきました。

 

  • 2018年8月 父87歳の年に、自動ブレーキ付きの新車を購入。姉も私も新車購入後に事実を知る。新車納入時に、車の前で花束と共ににっこり写真に納まる父の写真を見せられ、私たち唖然。87歳に新車を売るディーラーにも憤りの気持ち。長年の無事故無違反運転に絶対の自信がある父は、私達の心配や免許返納の話など聞く耳持たず、るんるん
  • 2019年4月 池袋の高齢者による11人死傷事故。父はこの加害者と同じ年齢88歳。同様の事故を心配し、姉と交代で免許返納の説得をするも失敗。父は脚力が衰えており、ドアツードアの移動に車が放せない。母も腰や足の痛みを訴え、車がない生活は想像できない様子。
  • 2019年8月 お盆に姉家族、私たち家族が実家に行った際に再度父を説得。孫たちのいる前で、父はいったんは車売却及び、免許の更新もしないの発言に一同安堵。姉夫婦とタクシーチケットを渡し、その費用は私達子供が負担するので、気軽に使ってほしいと要請。
  • 2019年8月お盆から数日後 実は腹落ちしていなかった父は激高し、免許返納宣言撤回。自分達には自分たちの生活があり、自分たちの大切な足である車の売却や免許返納は死に値すると感情的。免許更新は認知機能のテストなど自分で着々と準備しておりパスしていた。私は最寄りの警察署にも相談したが、本人を連れてきてくれば説得するとは言ってみてもらったものの、父がとてもそれに応じるとは思えず。両親の住む市に高齢者免許返納に対して何らかの補助があるかどうかも調べてみたが補助は無し。本人は免許更新に200%の自信。
  • 2019年9月  88歳父免許更新。視力テストも合格し、即日交付にご満悦。私達家族はがっくり。
  • 2019年11月 両親結婚60周年ダイヤモンド婚の記念に3夫婦(両親、姉&私達夫婦)で旅行に行った際にも再度説得するが応じず。近場しか乗らないからと。いずれ時が来たら返すと(今でしょう!と突っ込むもスルー)。ノルディックウォーキングのポールを渡して、一緒に散歩してみる。あまり歩きたがらない。天気のいい時に近場の散歩を提案。
  • 2020年7月 私の娘に車が必要になり、かねてから孫に車が必要なら父は車を譲ってもいいと言っていたことから、孫に譲ってくれないかと打診。以前の言葉に反して車を手放す気持ちは全くない。その後も、何度となく免許返納の話は振ってみたが、自分はいいが母がどう思うか、母の足となって毎日買い物、リハビリ、クリニック、美容院、銀行、市役所など運転していると母のせいにする、母はいずれ時が来れば免許返納するから、と一向に話が進まない。
  • 2021年1月 父90歳を迎える年。新年に短い挨拶に実家に行った際に、自分から運転は来年2022年の91歳の誕生日まで、今の免許の期限満了までしたいと父から宣言。運転をやめたら、ボケが進むのではないかと心配をしているとは母の言葉。
  • 2021年1月 73歳のタクシー運転手の脳梗塞での死傷事故のニュースを見て、再度父に免許返納の交渉。説得できるのはもはや母しかいないと、母にどうか車売却をするようにと働きかける。車がなくなったら動ける移動手段がなくなるので、姉夫婦がシニアカーの試乗を手配、レンタル契約することに。母に促され、父は車売却の査定に行く。
  • 2021年1月 思いがけず高値の査定で、中古車屋さんから連絡があり母に促され父渋々車売却。実は、今でも腹落ちしていないらしく、手も足も、もぎ取られたようだと執拗な恨み節。早くあの世に行けと言われているようなものだと電話口で恨みつらみと苦情を渾々と聞かされる。父から大好きな運転の楽しみを奪って、本当にこれでよかったのだろうか、何が最善の選択だったのか未だに悩んでいる。 

父は、車は手放しましたが、免許返納はしていません。

今の段階で免許返納まではとても怖くて父に言えません。

母にもそこまでは言わないでと釘をさされています。免許証は死ぬまで手放さないだろうと、私は本気で思っています。

 

乗れる車がないのだから、さすがにレンタカーを借りたり、これから車を買うことはないだろうと信じて(あったらどうしよう)、現時点ではこれ以上父を刺激しないことにしました。


これから毎週、姉夫婦と交代で週末にはご機嫌伺い&買い物などのサポートに行くよう計画しています。

父のボケが進むのではないかの対策に、ニンテンドースイッチと大人の脳トレを買って、現在まずは私と夫が脳トレ絶賛練習中!

今度これを実家に持って行って、両親にボケ防止に毎日脳トレしてもらうことにします。

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あと20-30年後、私達夫婦が80代で元気でいたら自動運転の車はできているかな、私たちはどのタイミングで免許返納、車を手放すのかな、とそう遠くない将来のことを思うのでした。

 

長文を読んでいただきありがとうございました。

どうぞよい週末を!

 

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